神様修行はじめます! 其の二
洞窟の一番奥の壁まで行った絹糸が、ピタリと止まった。


ふんふんと周囲の匂いをかいでいる。


「おそらく、この辺に・・・」


ひょいひょいと前足で、壁を掻くような仕草をする。


・・・爪とぎ?

ちょっと絹糸、いま忙しいんだから。


本能なのは分かるけど、それは後にして・・・。


― ガッコン! ―


わ――っっ!!?


大きな音と共に、突然、壁にでっかい穴が開いた!


見ると穴の中に階段があって、奥まで続いている。


「仕掛け扉じゃよ」

「仕掛けって・・・いったい誰がこんなもの」


この不可思議能力全開ワールドで、こんなアナログな・・・。


「自分だってノコギリを使おうとしとったくせに、何を言うか」

「そりゃそうだけど・・・」

「これを作ったのは永世じゃよ」

「おばあ様?」

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