神様修行はじめます! 其の二
「うがあぁっ!!」


しま子が鋭い爪で怨霊達を切りつける。

何者をも切り裂く、鬼の爪。

でも怨霊たちには効果がなかった。


切りつけても切りつけても、すぐに再生する。


そればかりか、ますます大きく膨れ上がっていく。


まるで人間の闇の部分そのもののように。


「無駄じゃ! はよう逃げよ!」


絹糸の声に、しま子は逃げ出そうとした。


『決して離さんぞおぉぉ・・・』


ドロリとした腕が、しま子の足に絡みつく。

しま子は勢いよく倒れてしまった。


ここぞとばかりに、怨霊たちがズルズルと覆い被さった。


「・・・しま子っ!」

「小娘! 滅火の炎じゃ!」


絹糸が駆け寄ってきて叫ぶ。


「滅火の炎ならば、何とかなるやも知れぬ!」


あたしは門川君の体の下から這い出ようとした。


でも、信じられないほど重くて、どうにもならない。


気を失ってる人間って、こんなに重いの!?

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