神様修行はじめます! 其の二
「それで何の用なんだい? まさか本当に遊びに来たのかい?」


しま子に抱えられている門川君を見ながら、主さんが聞いてきた。


「それは門川の者だね? 厄介事はごめんだよ」

「お主の沼、通らせてもらうぞ」

「はぁ? なに言ってんだい?」


あたしも、はぁ?て絹糸を見た。

沼を、通る?


「この沼は門川の敷地外に通じておる」


「そうだよ。だからあたしも入ってこられたんだ」


「ここを通って外に出る」


「普通に正門から出りゃいいじゃないかい」


「そんな身分ではなくなった」


「・・・・・・・・・・・・」


主さんは、はあぁ~っと小さな溜め息をついた。


「あんた、どんな厄介事に首を突っ込んでるんだい?」


「門川と天内、ふたつの神の一族の危機じゃ」


「あぁ、そりゃたいしたもんだねぇ」


主さん、そんなサラッと・・・。

全っ然、たいした事なさそう・・・。

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