神様修行はじめます！ 其の二

こっそりと、彼の髪にキスをした。

きゅうっと胸が締め付けられる。

苦しい・・・。


痩せた頬。

閉じられた瞳。

陰をつくるまつ毛。

血の気の失せた唇。


あれほど綺麗だったのに、こんなにやつれてしまった。


でもあたし、知ってる。


この顔が、本当はどんな風に笑うのか。

本当はどんな風に怒ったりするのか。

本当はどんな声で話すのかも。


全部、全部知ってる。



取り戻すからね。

きっと取り戻してあげる。

あたしが、この手で。


目が覚めて、あたしが側にいたら・・・


あなたはきっと微笑んでくれる・・・


その笑顔を見るために、きっと生きてたどり着いてみせる！



強い決意を胸に

あたしは盛大な水しぶきを上げて沼に飛び込んだ。