神様修行はじめます! 其の二
その間にも、どんどん怪魚との距離は縮まっていく。


さ、魚の顔って・・・

正面から見ると、すっごく怖い!!

普通に妖怪顔!



あ! 門川君! 門川君は!?

彼を守らなきゃっ!


彼を抱えたしま子の姿が、目の端に映った。


門川君・・・!


側に行こうとしたけれど、まったく進めない。

恐ろしいほどの水の威力。


水の抵抗に耐えて、腕だけを彼に向けて延ばす。


門川君、門川君・・・!


ガハアァッ・・・!


あたしは、ゴポリと大きく息を水に吐き出した。


恐怖心と、暴れたせいで一気に酸素を消耗してしまった。


い、息が・・・。

息がもう、つづかない・・・。


苦し・・・門川・・・



ただひたすら、彼に向けて手を伸ばした。

ただひたすら、彼の名を呼んだ。

ただひたすら、彼を想った。


そして、苦しみが極限に達しかけた時・・・



彼の両目が開かれるのを、あたしは見た。


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