幕末トリップガール~陰陽少女と新撰組~
「朝から楽しそうだな、小野寺」


藤堂の隣で、長身の男が笑った。


「……楽しくなんかない」


「あははっ、相変わらずだな」

そう言って笑うのは、十番組組長の原田左之助だ。

小野寺にとっていいお兄ちゃんのような存在だった。



「………朝から騒がしいなあ……」

溜め息をつく小野寺。



だが、その顔は笑顔だった。



壬生浪士組の屯所に来てから1ヶ月。


小野寺の中で「何か」が変わりつつあった。

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