幕末トリップガール~陰陽少女と新撰組~
「こちらに来て1ヶ月か」


芹沢が笑う。



「…………………あぁ」

小野寺は顔をしかめた。



(酔ってる……!?)



昼間だというのに、芹沢は真っ赤な顔で片手に酒を持っている。


「……芹沢さん。何か用があるのか?」



嫌な予感しかしない。


芹沢の酒癖が悪いことは、以前隊士から聞いている。




「用か…………はっ」




笑う。

ツンとした酒の匂いが鼻にしみる。




「無いなら僕は用があるので行きますが」


「用?」



「巡察当番です」



以前は芹沢に対してタメ口だったが、小野寺は今では隊士の扱い。


敬語で伝える。


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