幕末トリップガール~陰陽少女と新撰組~
「おぉーおのでらんかっくいー」

すると、

「…ほんと格好いいとこ独り占めすんなよな、小野寺ちゃん」

「そうだよ小野寺ちゃん。水くさいなぁ、もう」

「今日は小野寺に全部持ってかれたな」

「……全くだ」



小野寺の背後で、そんな声が響いた。


「……………ッ」

それは紛れもない、壬生浪士組のみんなで。



「行くぞ、てめえら」


孤独に戦ってきた小野寺にとっての、初めての「共に」戦う仲間だった。



「――遅くなったな」

土方が小野寺を見る。


「とりあえず大体の話は聞かせてもらったが…つまりはあいつぶっ飛ばしていいってことだな?」

刀を鞘から抜く。


「…ま、要約するとそうなるな」
小野寺も式神を口に挟んだ。



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