幕末トリップガール~陰陽少女と新撰組~
「……――な女一人、守れねえんだから」


「………え?」



なんて、言った…?



「とにかく、謝るのは俺たちのほうだ。お前はちゃんと戦ってくれたよ」


土方は、ゆっくりと口角を上げた。




「…土方……?」


「黙れっつってんだろ」



何でだろう。

いつもなら「キモい」とか言って突っ返すはずなのに。



ずっと、この暖かさに包まれていたいと思った。





「………土方」


小野寺は、ぎゅっと土方の帯を握る。



「………何だよ」


心なしか、土方の顔が赤い。



「…………あったかいな」


「………ああ」


「……ずっと」ずっと、






「ずっと、こうしてたい………」


< 229 / 693 >

この作品をシェア

pagetop