幕末トリップガール~陰陽少女と新撰組~
「病気についても一緒だ。簡単な風邪なら僕の力でも治せるだろう。でも、それが不治の病なら話は別だ」


そこまで言うと、沖田がふっと視線を下げた。



「…いや、治せないというより、もし治したならば」

小野寺は、視線を外し、空を見た。



広くて、灰色だった。





「僕がその病気を、引き受けることになってしまうんだ」




よく言うだろう?

この世界の基本は‘等価交換’だって。





そう付け足して、小野寺は笑った。




「……ふーん。説明してくれてありがとう、おのでらん!」


話が終わると、沖田が明るい声で笑った。


< 265 / 693 >

この作品をシェア

pagetop