幕末トリップガール~陰陽少女と新撰組~
「………んっ」

再び、激しい土方のキスが降ってきた。


身をよじる。


「……小野寺」

「……ん?」


土方は、笑った。


「愛してる」


「………うん」


「待ってるから」


「うん」


「お前がきちんと向き合える日まで、待ってるから」


ありがとう。
小野寺は、そう、小さな声で呟いた。


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「はーあ。損な立ち回りだねぇー」

「やはりわざとだったのか。沖田」



小野寺の部屋のまえで、斎藤は小声で呟いた。



「何でこんなことをしたんだ?」


「……さあ。何でだろうね?」

濁す。



「お前は、小野寺を―…」

「それは、斎藤クンもでしょ?」

「………」


相手を見透かすような瞳。


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