幕末トリップガール~陰陽少女と新撰組~
「……解散する気か、あいつら!?」

永倉が眉間に皺を寄せた。


これでは、まずい。



「近藤さん!土方さんたちを待っていたんじゃ間に合わない!」


「………っやむを得ないか…!」



固く目を閉じ、近藤は言い放った。



「これから、この隊のみで襲撃を始める!!中に入るのは俺と沖田、藤堂、永倉のみ。あとは外を固めろ!」



「はいっ!」









これが世に言う、「池田屋騒動」の幕開けだった――…。







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「土方さん!これをっ」

原田が何やら紙切れを持ってくる。


「これって…」

「小野寺の式神だ!」


チィッ、と舌打ちをしてそれを見る。

「おいてめえら行くぞ!本命は池田屋だ!」



土方たちは、暗い夜道を走り出した。
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