幕末トリップガール~陰陽少女と新撰組~
浪士を一人斬り、藤堂が告げた。


「小野寺が?」

「あぁ。あまりに二階が静かで気になるからって…」


(あんにゃろう…)


拳を握る土方。

しかし、思いの外冷静に述べた。


「斎藤」

「はい」


名前を呼ばれた斎藤が、土方の元へ行く。



「俺はここで会津藩などを止める。手柄を横取りされたらたまんねえ」

「はい」


「だから、小野寺たちを見てきてくれ」



目を細める。



「………了解」




そう短く告げ、斎藤は二階への階段を駆け上がっていった。


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