幕末トリップガール~陰陽少女と新撰組~
そんなボロボロな顔で笑わないでよ。

そんな光を差していない目をしないでよ。


「おのでらん」

沖田は笑った。



「僕って、いつ死ぬのかな?」



肺結核。
江戸時代では不治の病である。


「……沖田…」

「ごめん、おのでらん。少し、一人にして」


沖田が目を伏せた。



「………………」

「ごめん、出てって」




どうして僕は何も出来ないんだろう?




「………おき、」

「出てって」



沖田は冷たく言い放った。


小野寺はゆっくりと立ち上がって出て行くことしか出来なかった――…。




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