幕末トリップガール~陰陽少女と新撰組~
「あた…りま、え、なのに……!」


ゆっくりと、言葉を紡ぐ。



「当たり前だった、のに…。誰かを守れない私になんか、か、価値なんて、ないのにぃ…!」


彼女の大きな瞳からポロポロと水滴が落ちた。



「だから、あいつ、の、態度なんて当たり前、だったんだ、だったのに……!」


甘えてたんだ、と彼女は吐いた。



「も、どうしたら、い、いいの、か、わからな……!」









嗚呼、弱いんだ。

小野寺だって、普通の若い女の子だ。


ただその立ち位置がほかの女の子と違うだけだ。




彼女は、弱い。





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