幕末ﾄﾘｯﾌﾟｶﾞｰﾙ～陰陽少女と新撰組～

久しぶりに会った山南の顔色は悪い。


「大丈夫か？」

「あぁ…、はい、大丈夫だよ」


そうは言うが、明らかに顔色が悪かった。

「…………あまり、無理するなよ」




山南は新撰組総長という立場にいながら、最近その地位が危ぶまれていた。

伊東たちを優遇したことで更に彼の地位は下がり続け、今では副長である土方の発言権のほうが強くなっているのが現実だ。




「ありがとうございます、小野寺さん」


そう言って笑う山南の顔に少しだけ違和感を感じながら、小野寺は彼を見送った。



「……山南さん、大丈夫か…？」



山南と仲の良い沖田が、少しでも彼の支えになればいいが…。



そんなことを考えながら、小野寺は自室へ向かった。