幕末トリップガール~陰陽少女と新撰組~
「脱走」


それは、新撰組においての禁忌。
つまり、死罪に値する行為である。




「なんで、そんな……」


小野寺はきゅっと目を瞑った。


脱走は、死罪。


その現実が、小野寺の前に立ちふさがる。




「………総司」

「はい」



土方は隣に立つ沖田を見た。






「山南さんを捕まえて来てくれ」





「………………え?」



思わず目を見張った。



「土方?」


なんで沖田に?
沖田は山南と仲が良かった。

山南自身、沖田を弟のように可愛がっていたのだ。



「なんで、そんな役割を…」

「僕が行けば、山南さんが油断するからでしょう」



< 413 / 693 >

この作品をシェア

pagetop