幕末トリップガール~陰陽少女と新撰組~
「ちょっと行ってくるね」


そう言って沖田総司は暗い夜の闇へと飛び込んだ。





――――――
―――





はぁ、はぁ………


息があがる。
呼吸が苦しい。


どの位走ってきたのだろう?




「……病気のせいか歳のせいか……」





男は橋の上で立ち止まった。




「大津まで来ましたか…」


息を吐いた。





嗚呼、私の人生とは何だったのでしょうか?


国のために、新撰組のために尽くしてきた私の人生とは。


汗と血を流した私の人生とは。





充実……していたのでしょうか?



沢山の人に出会った。


近藤さん、
土方くん、
斎藤くん、
原田くん、
平助くん、

小野寺さんもなかなか印象深い女性だった。


とても強くて、とても弱い女性。



永倉くんや伊東くんとは、ずいぶん長い付き合いになるのかな?




そして――、




< 415 / 693 >

この作品をシェア

pagetop