幕末トリップガール~陰陽少女と新撰組~
「じゃあ、近いうちに帰るから」


そう言って、小野寺は式神と緑石を握りしめる。
すると…



「小野寺」


凛とした声が響いた。




「………土方」


土方歳三だ。




つかつかと近寄ってくる土方。
隊士たちは思わず彼らから一歩引いた。



ぴたり。

小野寺の目の前で動きを止める。



「気をつけろよ」




そう言ってにこりと笑った。




「あ、ああ……」


(なんでそんなニコニコ笑うんだ…照れるじゃないか…!)



小野寺は思わず赤面しながら土方を見た。



「お前、普段のおっちょこちょいで縄文時代とかに落ちるなよ」


……赤面した私が馬鹿だった。


「落ちるかっ!」

きっと睨み付ける。



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