幕末トリップガール~陰陽少女と新撰組~
頭では分かっている。

行けって言ったのもあたしだ。


行けって言わなくちゃ、いけなかったから。

格好がつかなかったから。





行かないでなんて、言えなかった。


言っては、いけなかったから…。







「やだよ…。置いていかないでよ…」

「乃愛ちゃん」




すると、頭部に何か暖かいものが触れた。









「よく頑張ったね」

優しく撫でてくれるその手に、乃愛はしがみついた。




「…悠………っ」

「頑張ったね」

「あたし、ちゃんと、…姫…ぇ…!」


「うん、うん」





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