幕末トリップガール~陰陽少女と新撰組~
「相当お前のことを心配していたぞ。時を越えられなかったのではないか、と」


「……………え」




てっきり、怒っているのかと思った。

すぐ戻ってこないから、裏切ったと疑われているかもしれないとすらしてしまった。




「あの人は、お前のことをまだ待っている」


斎藤が目を細めた。





「…行ってやってくれ」






………会いたい。

今すぐ土方に会いたい。


そんな感情が湧き出てくる。






「斎藤、ありがとう」

笑う。



「………礼を言われるほどのことではない」

斎藤は視線を外した。




「……俺も、お前が裏切るはずはないと思っていた。他の隊士だって同じなはずだ」



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