幕末トリップガール~陰陽少女と新撰組~
第弐拾漆章 もしも
弐拾漆 もしも

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幸せに、なれたのかな?





有り得ない未来を妄想すると、涙が止まらなかった。

毎日、おはようと言って、巡査して、笑って、笑い合うそんな未来を。



女々しくも、思い描いてしまう。








「……………しん、ぱっつぁん…、左之さん…………」


すると。

今にでもなくなってしまうかのような、そんなか細い声が聞こえた。




「へい……すけ?」

息も絶え絶えに、言葉を紡ぐのは、藤堂平助だった。





「とどめ……させよ」


笑う。




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