幕末トリップガール~陰陽少女と新撰組~
そう叫んで、藤堂を抱き締めた。


「やりたいことがあるのに、死ぬなんて馬鹿だ。私が死なせない……!」

「……小野寺ちゃん…」



しゃくりあげながら、ぎゅっと藤堂を抱き締める。



「なんで他人の為に泣くんだよ…」
呆れた表情。




「……馬鹿は君だよ。小野寺ちゃん」

藤堂は、笑った。
確かに、笑った。







「………平助…」

その姿を見て、永倉と原田は動きを止めた。



「……ほんと、小野寺ちゃんの馬鹿」
原田が自嘲した。




「生きて欲しいって思っちゃうじゃん……」











――――スッ








「……………え?」

藤堂が気の抜けた声を発した。

二人が刀を鞘におさめたのだ。



「なん、」

「考えが変わった」笑う。





「生きろ。生きて、今まで殺してきた奴の見れなかった景色を見ろ」


「なん、」



「気の迷いだ」




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