幕末トリップガール~陰陽少女と新撰組~
「生きてくれ、藤堂…」



小野寺は、静かに涙を流した。


大丈夫。
君なら、大丈夫。


きっとその先にあるのは、絶望だけではないのだから―…。




―――――
―――



「……で、小野寺ちゃんはこれからどうするの?」

原田が顔に飛んだ血飛沫を拭う。



さっきの出来事から数十分が経過した。

隊士たちは皆、刀を鞘におさめている。





「……とりあえず新撰組に戻るよ」

小野寺はゆっくりと立ち上がった。



「新撰組に?」

「うん。あいつもいるし…」

「あいつ?あぁ、土方さんのことか」




………そう、土方のこと………………………………って、







「あれ?」


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