幕末トリップガール~陰陽少女と新撰組~
時は平成。

蓮宮来愛は、赤蓮院学院の最上階で笑った。




「え。やっとやったんだー、小野寺姫」

「思ったより遅かったね」
にこり。




蓮宮は、青色の目に空をうつした。







「ふふふっ。これでどの程度の歴史が変わるのかな?かな?」

「さあねえ…。女の子一人の力で社会が動くってのは、まあ有り得ないと僕は思うけどね」




コーヒーを片手に、彼は少女へ身体を向けた。





「僕らは、物語の主人公ではないんだからさ」

「……ふーん」



少女は、美しい金色の髪を揺らした。

あまりに美しいその姿は、まるで西洋画から抜け出してきた人形のようだった。




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