幕末トリップガール~陰陽少女と新撰組~
そんなわけで、そこから数日間、小野寺や他の新撰組隊士は江戸に待機となった。


「……小野寺、大丈夫か?」
斎藤が首を傾げる。


現在、鳥羽・伏見で戦いが行われている。





「昨日、薩摩の軍艦を旧幕府側が撃ったらしいな」

「…ああ」



くそ、と小野寺は眉間に皺を寄せる。


「将軍はそれを止められなかったのか…?無駄に人が死ぬというのに…」



なんで、と。
小野寺の拳に力が入る。


新撰組も何人かがその戦いにかり出されている。




「もう、止められないのだろうな」
斎藤が呟く。


「旧幕府側も新政府側もお互い不満が頂点になった今、こうなることは皆が予想していた。…その時期がここまで延びただけだ」




今、こうしている間に、何人もの命が散っている。



< 568 / 693 >

この作品をシェア

pagetop