幕末トリップガール~陰陽少女と新撰組~
その命はその本人のものだけでなく、沢山沢山絡み合っている。

「小野寺」



すると、小野寺は頭に重量を感じた。
斎藤が手をのせたのだ。




「…………何?」

「一人で抱え込むなよ」









………へ?





小野寺は思わず目を見開いた。


「……なんだ」

「いや、君は本当に斎藤かなと思って…」


斎藤の顔をペチペチと叩く小野寺。



「君は他人と関わろうとしないし、あまり口出しもしないからさ」

「…俺も変わったんだよ」

斎藤は、小野寺の右手をとった。



「お前と出会ってからな」

その表情は昔より色味を帯びていて、小野寺はうれしくて口元をゆるめるのだった。





< 569 / 693 >

この作品をシェア

pagetop