幕末トリップガール~陰陽少女と新撰組~
ただ、それだけの為だった。

国を変えたいと思った時期もあった。
だが、

彼は今、愛する人たちを守りたいから戦っていた。




―――なのに、



「……和歌…典子、弥太郎………」
愛する家族の名を呟く。



「ごめん。父さんどうも、




















―――ここで死ぬみたいだ」





吉原は、新政府軍に包囲されていた。

銃口が向けられる。









嗚呼……俺は、ここまでか。

やらなくてはいけないことも、守りたいものも、全て残したまま、死ぬのか。



「…………くそっ」






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