幕末トリップガール~陰陽少女と新撰組~
その言葉の意味が分からなかった。


「何それ、どういう…」

「だから、おのでらんと土方さん、二人で屋敷に入って」



そういって彼は、小野寺を安心させるように笑った。


「僕が、誰も屋敷に入れないから」







ねえ、それは、






「一人で戦うって事…?」






沖田はいつもと変わらない笑顔を向けた。


「…おのでらん、しっかりやってよー?」
おどけたように笑う。

「土方さんも、ね?」


「総司………」


「何馬鹿なことを言ってるんだよ、沖田!!」





小野寺の眉間に皺が寄る。

今にも泣き出しそうな表情だった。




「ここで私が術を解いたら、お前はモロに銃弾を受けることになる。そしたら…」


「それしか方法はない」





それは、強い意志を込めた瞳。




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