幕末トリップガール~陰陽少女と新撰組~
それは、小野寺にも分かっていた。

このままでは自分の身体が持たないなんてこと、自分が一番よく知っている。



でも、

だけど…………!










「やだっ!!!」


小野寺は叫んだ。




「やだ!絶対にやだ!!君が犠牲になるなんて、なんで、やだ……やだ!!」

ポロリと瞳から涙が落ちる。





「やだ、やだ、やだ!」

「おのでらん」

「やだよ、やだ。沖田ぁ…!」



「姫!!!!」








沖田は、ゆっくりと馬から降りた。

気が付くととっくに屋敷の入り口には着いていて、土方もその様子を見つめている。







「…今まで、ありがとう」










沖田総司は、笑った。





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