幕末トリップガール~陰陽少女と新撰組~
――――みんなが幸せになれる国を、つくって」
沖田は、小野寺の頭をくしゃりと撫でた。
「さぁ、土方さん。おのでらんを連れて行ってください」
そして、土方を見る。
「………早く」
そう言う目は、新撰組の「沖田総司」の目だった。
「小野寺、行くぞ!」
「ひじ、」
パッと手を取り、走り出す。
「おき、沖田あああああっ!!!」
悲痛な声が耳に入る。
この声は、この世で一番愛した女の子の声。
「ありがとう、土方さん」
沖田は小さく笑い、腰にある刀を抜いた。
「ありがとう、姫」
そして、構える。
「ありがとう、みんな」