幕末トリップガール~陰陽少女と新撰組~
「ですから」

木戸は変わらない口調で、表情で続けた。




「この先、旧幕府側の人物が私たちの政策に関わらないというならそちらの提案を飲みましょう。しかし、飲めないというのならばこのまま力で押さえ込むまでです」





―――つまり、


「これから先、貴方達は彼らから全てを奪うということですか?」

刀も、名誉も。



明治時代。

武士は刀を失い、途中彼らの保障のために出ていた秩禄(チツロク=現在で言う保険みたいなもの)も取り上げられる。



つまりここで彼らの条件を鵜呑みにすれば、全国にいる何万という武士が職も地位も戦わずして失うことになってしまうのだ。


また、と木戸は再び口を開く。




「幕府の重役であった者。…将軍さん以外の方には、今までの責任と罪を償う目的で、




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