幕末トリップガール~陰陽少女と新撰組~
「じゃ、ここで殺り合いをするのは狭いので…」にたり。


「下に、行きましょう」





そして、彼は右手の人差し指と中指を合わせる。


「――――発動」





青蓮院の一声で、辺りは光に包まれた。








「土方………!」

小野寺は右手を伸ばす。


でも、届かない。





「どうか、無事で。姫」





彼はそう言って、いつもはなかなか見せない優しい笑みを浮かべた。


何でだろう。



胸が、ドクドクするよ。


ねぇ、土方。






「じゃ、後はよろしくね。木戸さん、西郷さん」

青蓮院は軽く右手を振った。




「じゃあ、また」








辺りは、光に包まれた。

















「っじかた!」


次目を開いた時には、もう土方と青蓮院の二人はいなかった。




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