幕末トリップガール~陰陽少女と新撰組~
はい、と小野寺は頷く。



「みんな、家族がいて恋人がいて、友人がいる。『命』はその人だけのものじゃないってことを」



当たり前だけど、忘れていた感覚。

命の大切さ、尊さ。





「そして今、それを彼らは知っています。私が、伝えた」






小野寺姫は他人を信じる気持ちを、

新撰組は人間であることを、




それぞれ教えてもらった。






「今の彼らはただの人斬り殺人マシーンじゃない。彼らは人間です」笑う。


「敵とか味方とかじゃない。私たちは同じ日本人で、人間です」





傷つけば悲しくて、
傷つけられれば悲しくて、






「例えば、子供が喧嘩をしたとしましょう」

「………はい?」




まあ聞いてください、と笑う小野寺。



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