幕末トリップガール~陰陽少女と新撰組~
つまり、「小野寺」を追い出されたのだ。


かあさんはおれがきらい。

だっておれの顔は、かあさんのお兄さんと似ているから。






「あたしを追い出したのは兄様なのよ!」

ある日、かあさんに言われた。

「あたしはあいつが嫌いなの。あいつがあたしを嫌いだったから。なのに、なのに」言葉を切る。




「どうしてあたしとあたしの愛する男が産んだあんたがあいつに似ているのよ!!」




穢らわしい、
憎らしい、
気持ち悪い







罵声を浴びながら育ったおれは、いつしか誰も信じなくなっていた。

そして、おれの住む世界を、嫌いになっていた。





17歳のある日。

俺はとある男に出会った。




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