幕末トリップガール~陰陽少女と新撰組~
そんな思考がグルグル頭の中を駆け巡る。


「……はぁ?お前、頭おかしいんじゃねえの?」

「でも、君はこの提案を物凄く魅力的に感じたはずだ」




彼はまるで俺の全てを見透かしているような、
そんないやらしい笑みを俺に向け続ける。





「だってあんた、死ねないんだから」


「………………」










ダッテアンタ、シネナインダカラ――…


「そうでしょ?」ね?と付加疑問文を付け足す男。






そうだ。
残念ながら、俺はこいつの言うとおり、未だに死ねないでいる。



何度死のうとカッターを左手首に押しつけても、

何度死のうとロープを首に掛けても、




俺は弱すぎて、自分すらも殺せない。








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