幕末トリップガール~陰陽少女と新撰組~
「青蓮院、お前は強い」

すると、
土方は目を細めた。



「…俺よりよっぽど強えよ、てめえ」

「…そんな弱いあんたに、俺は今殺されかかってるんだけど」


首に当たる刀が冷たい。
青蓮院はゆっくりと瞳を閉じた。



嗚呼、情けない。
最早この人のまえでは、自らの力を出すことすら許されなかった。


迷いのない、美しい型。


これが、新撰組の「土方歳三」







「お前と俺の違いは分かるか?」

土方の真っ直ぐな瞳が青蓮院を貫く。



「それは、















己の意志の強さと、守りたいものの有無だ」




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