幕末トリップガール~陰陽少女と新撰組~
「甘ったれてんじゃねえぞ、ガキが!!」



――――…ザン……ッ




「カ…………ハッ…」

青蓮院は地面に倒れ込んだ。


顔が地面に当たる。
地面は冷たくて、気持ちよかった。


カチャリ、と再び土方の刃は青蓮院をとらえる。




「……青蓮院、お前はまだ死を望むのか?」

「…………」

「今、俺に殺されたいか?」









――――パアン!

すると遠くで戦争終了の大砲が鳴った。


「姫………」
土方の顔が緩む。





「……終わり、か……」

気がつくと、顔が濡れていた。

その液体が血ではなく涙だと気づくまでに少し時間がかかった。



「終わりかよぉ……」

全部、ここで終わるんだ。




初めて気付いた。
気付かされた。

自分が自分のために生きているわけではないことを。




全ての責任を他人に押し付けて生きているということを。



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