幕末トリップガール~陰陽少女と新撰組~
どうやら店の前にいた女性が邪魔であったらしく、男二人は彼女に詰め寄る。


「どいてくんねえ?マジ通行の邪魔なんだけど」

「道の端に行けよ、端に!」



「す、すみません…!」





女が慌てて道を開ける。

すると、赤ん坊が泣き出した。




「うわああああああんっ!」



「あぁ!?ガキ、うるせえんだよ!」

「てめえ、ちゃんとしつけとけよ!」

「そこいらの犬のほうが利口だわ」




ギャハハ、と下品な笑い声が響く。

母親はただ「すみません、すみません」と謝るばかり。
手を繋いでいる子供は、青くなって男たちを見上げた。





「本当にすみません…」



「そうだそうだ!」

「その汚い服で、もう俺らのまえに現れんなよ!」












ピシャッ…………





「……………あ…」

男は、母親に向かって泥を蹴り飛ばした。





「…………」

「ギャハハハハハハ」


笑い声がこだまする。











すると、



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