WHITEMOON~あやかしの神様~
俺だってお前の血がなきゃ…狂いそうだ…



「お前の父親は何してる??」


弥生叔母様は半年前に交通事故で死んだ。


「実流の世話をしている」


「それ以前にずっと無職だろ…お前は…まだ、中学生だ。仕事よりも勉強の方が大切だ…」



この喉奥から溢れる渇望に耐えらなかった。麻薬のように常習性の高い康人の血。


俺は堪えきれず、そのまま牙を突き立てた。


「うっ…」


いつになく激しく脈打つ康人の躰。



ヤツの躰の異変に気づいていたが…俺は構わず、血を吸い続けた。


「知弥…時間だ…」


康人は俺の髪を掴み、離れるように、呟く。





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