WHITEMOON~あやかしの神様~
私は速水さんの命令で片時も離れずそばにいた。



亜希都さんと悠樹君には悪いと思いながらも…



「朱雀はもうここには戻ってこない…」


「えっ?」


「…朱雀は裏切って、知弥様たちに寝返ったんだよ」



「敵に…なるの?」



「!?」



私の目の前に現れた白銀の長い髪の男性。でも、白小袖に紅の単に長袴、白水干しを着け、白鞘巻の刀を腰に提げていた。男性だけど、衣はまるで白拍子。



「君は…小笠原花奏…」


男性は足を止めて、私に喋りかけて来た。
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