WHITEMOON~あやかしの神様~
「いえ、あ…」


私の態度が速水さんを深く傷つけてしまった。



「好かれるよりもお前に嫌われた方が…好都合だ…」


「!?」


速水さんはゆるりと私の躰を離した。


「俺はお前に隠していたコトがある」


「・・・」


そう言って、黒いレザーソファーにへと腰を下ろし、ネクタイを緩める。



業界では『鬼社長』と呼ばれる速水さんが、深い溜息を吐く。



「俺が冥府の神だと言うコトはレーアから訊いた思うが…」



「はい」
私も速水さんの隣に腰を下ろす。



速水さんは口火を切ろうとするけど、迷いが色濃く影を落とす。



私には言えない秘密があるらしい。
もしかして、自分が妖だと気づいてるのでは。
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