WHITEMOON~あやかしの神様~
「・・・悠樹の背中の小さな黒い翼…」


「・・・」
確かに、悠樹君の背中には翼らしきモノがあった。



「あれは天狗の翼だ…俺は妖・天狗の純血種かもしれない…ある男が俺に会いに来て…ヤツが生まれて間もない俺を施設の前に捨てたと言った。速水と言う苗字は天狗の血筋の名前らしい」



千早さんが速水さんに直接、会いに来た。



「父親も母親も天狗族の純血種。30年前、小笠原知弥の父親に討たれ、赤ん坊の俺だけが生き残った。俺が天狗族最後の純血種だと男はそう言った。男は俺と同じ父親を持っているが、母親は人で、ハーフ。腹違いの兄だ」



千早さんが速水さんの腹違いの兄。


「・・・冥府の神であり、天狗の純血種…妖も元は神だが…これから築く…天界には不要の存在」


「互いに共存すれば・・・」


「人とも共存できぬ、妖が神と共存出来ると思うか?」









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