WHITEMOON~あやかしの神様~
俺も『対極刀』を鞘から引き抜き、双剣を構える。



「対峙する前に教えてください…智成様…妖…排除とは一体…?」



「古の時代は、神と人は共に世界を共存していた。しかし、人が神の力を羨み、神の世界を滅ぼした。主の神…天上神を失い、残された神の大半は妖となった。
天上神復活した今…神の力を保てなかった妖は新たに作る神世界には異形の存在。よって、全てを排除せよとのご命令だ…お前は知らないうちに神に利用されいたんだよ」


「クッ…俺としたコトが…何も見抜けなかった…」



「ははっ」
智成様の高笑いが俺の神経を逆撫でして、怒りを彷彿させる。


「冥土の土産だ…知弥」


酒を酌み交わした本音を語り合った深い縁の仲だと思っていたが俺の独りよがりだった。



俺に智成様が龍刀をかざした。手首の骨が軋む程の衝撃。



普通では勝てない。


俺は再び、己の魂の中に眠る『紅月』の魂を呼び出す。



「『紅鬼』か…相手としては不足はない!来いよ!!妖の力を纏ったお前を俺に見せてくれ」








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