WHITEMOON~あやかしの神様~
首を締め付けられ、苦しむ俺に、智成様は龍刀を振り下ろす。



「!?」


俺の目の前に眩い光と共に、金色の髪の男が現れた。

深き森の濃緑のマント。



俺は意識を失ったーーー・・・


緑の色。


桜の君との初めての逢瀬で着た直衣の色も春の緑に相応しい萌黄色だった。



「ここは?」


「大丈夫だった?知弥様」


心配そうに俺の顔を覗き込む爽爾。その隣には天狐!?


「天狐お前…生きていたのか?」


「時神様に助けて頂きました…妖狐族…全員無事です!!」



「時…神…!?」


妖の世界では、天上神の中でも最も偉い頂神とも呼ばれている神様。



「・・・その時神はどこに?」


「城の中庭ですよ」


「城?」


「妖狐の国は一つではなく幾つもありますから。ここは富士山麓の樹海の祠を入り口に持つ国です」


「・・・」











< 52 / 202 >

この作品をシェア

pagetop