WHITEMOON~あやかしの神様~
俺も花奏と出逢うまで、そうだった。


妖の存在を悪として、徹底して、排除し、封印して来た。
前世、完全な封印ができずにいた弱かった己を悔やみ、今世は父の野望に翻弄され、妖と人のハーフとして生まれた己を否定し、強さを貪欲に求めた。



前世のように妖などに負けたくないと。


でも、
妖にも心があると、花奏から教わった。


それは『甘さ』だと俺は花奏と諭したが、それは違う。



「確かに妖にも悪しき者はいるが、皆、生きているんだ!」



「・・・君も…妖の血が半分入っているだろ?小笠原知弥」



「そうだ!」



「ナル…神に減らず口を叩く…コイツを殺せ!」



「しかし、恭様…」


「俺に口答えする気か?」


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