WHITEMOON~あやかしの神様~
「俺は…この冥界で滅するつもりだ」




「・・・」



「それはさっき、訊きました…」



「なら、話がわかるだろ?亜希緒には俺に未練を残して欲しくない…」



芳樹さんは私の顎から指を離して、背を向けた。



猫脚のテーブルに置かれたワインをグラスに注ぐ。グラスの中のワインは深紅の液体。



そのまま、たっぷりとグラスに注がれたワインを一気に飲み干した。



「君には無茶なお願いばかりしているが・・・。俺もこの世界に未練を残したくない…消えるなら、やるべきコトをやってから消えたい…」



空になったグラスを乱暴にテーブルに戻し、再び、ワインを注ぐ。







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