双子総長

糸音の話を聞いた。


親が勝手に引越しの手続きをして断れなかったこと。

携帯を忘れて一切連絡が取れなくなったこと。

ずっと俺を好きでいてくれたこと…


「あたし…ずっと好きだったの」

泣きながら言っていた。


「勝手にいなくなって、勝手に連絡取れなくなって、勝手に帰ってきて…こんなこというのもあれだけど…許してくれない？」


「泣くなよ」


糸音に涙は似合わない。


「好きだから…お前のことずっと…」