幸せになろう
第1話 仮契約
「先生、お姉ちゃんを助けて。先生!」
「残念だが私の力ではどうすることも……」
そう言って医師は表情を曇らせる。
「父さん、母さんのバカ! 父さん達が姉ちゃんを見殺しにしたんだ!」
ガバッと飛び起きる宮原慎一。
「またあの夢か、いやな夢だ」
既に夜は明けていた。
「散歩でもするか」
慎一は、玄関の戸を開け外へ出た。
ふと、家の前に人が倒れている。
金髪の長い髪、長身、白い変わった衣装、そして背中には白い羽を身にまとった
若い女性がそこに倒れていた。年齢は18歳ぐらいであろうか?
「おい、しっかりしろ」
話かけたが反応がない。そこでゆすってみた。
やはり反応はなかった。だが、まだ息がある。体も温かい。
「まだ生きている」
慎一は、女性を抱きかかえ家の中へ。そして居間のソファーに寝かせた。
しばらく時間が過ぎた。
やがて彼女はゆっくりと目を開けた。
「気がついたか?」
慎一は話しかけてみる。
「ここは?」
彼女があたりを見わたした。
「俺の家だ。君は家の前に倒れていたんだ。どこか痛いところはないか?」
「いいえ」
「どうして家の前に倒れていたんだ?」
慎一の問いかけに彼女はしばらく黙り込んだあと、ゆっくりと話始めた。
「実は私、追われているんです。黒崎っていう犯罪組織の指導者に。
私は、黒崎に呼び出され、契約しました。
そして、彼を幸せにするために、願いを叶えるつもりだったんですが……
でも、その願いとは、刑務所に収監中の仲間を釈放しろとか、敵対組織をせん滅させろとか、あげくの果てには、自分の息のかかった者を公権力の中枢にすえて、捜査機関の息の根を止めろと、要求してきたのです。
私は犯罪には協力出来ないと、全て拒否しました。それが、黒崎の怒りを買ったのです。
お前は俺の願いを叶えるために契約したんだろと。
そして私はとらわれの身となったのです。黒崎のビルの一室に監禁されました。
私はすきを見計らって、脱出しました。
ところが、ビルの外へ出たところで、黒崎の手下に見つかってしまいました。
それでも私は逃げました。そして疲れて倒れていたのです」
「でも、何でそんな奴と契約したの。ところで契約って何?」
契約の意味がよく分からない慎一。
「実は私、天使なのです。天上界から人間界を見守り、人々に幸せを与えるのが私達の仕事なのです」
慎一は訳が分からなくなってきた。
「残念だが私の力ではどうすることも……」
そう言って医師は表情を曇らせる。
「父さん、母さんのバカ! 父さん達が姉ちゃんを見殺しにしたんだ!」
ガバッと飛び起きる宮原慎一。
「またあの夢か、いやな夢だ」
既に夜は明けていた。
「散歩でもするか」
慎一は、玄関の戸を開け外へ出た。
ふと、家の前に人が倒れている。
金髪の長い髪、長身、白い変わった衣装、そして背中には白い羽を身にまとった
若い女性がそこに倒れていた。年齢は18歳ぐらいであろうか?
「おい、しっかりしろ」
話かけたが反応がない。そこでゆすってみた。
やはり反応はなかった。だが、まだ息がある。体も温かい。
「まだ生きている」
慎一は、女性を抱きかかえ家の中へ。そして居間のソファーに寝かせた。
しばらく時間が過ぎた。
やがて彼女はゆっくりと目を開けた。
「気がついたか?」
慎一は話しかけてみる。
「ここは?」
彼女があたりを見わたした。
「俺の家だ。君は家の前に倒れていたんだ。どこか痛いところはないか?」
「いいえ」
「どうして家の前に倒れていたんだ?」
慎一の問いかけに彼女はしばらく黙り込んだあと、ゆっくりと話始めた。
「実は私、追われているんです。黒崎っていう犯罪組織の指導者に。
私は、黒崎に呼び出され、契約しました。
そして、彼を幸せにするために、願いを叶えるつもりだったんですが……
でも、その願いとは、刑務所に収監中の仲間を釈放しろとか、敵対組織をせん滅させろとか、あげくの果てには、自分の息のかかった者を公権力の中枢にすえて、捜査機関の息の根を止めろと、要求してきたのです。
私は犯罪には協力出来ないと、全て拒否しました。それが、黒崎の怒りを買ったのです。
お前は俺の願いを叶えるために契約したんだろと。
そして私はとらわれの身となったのです。黒崎のビルの一室に監禁されました。
私はすきを見計らって、脱出しました。
ところが、ビルの外へ出たところで、黒崎の手下に見つかってしまいました。
それでも私は逃げました。そして疲れて倒れていたのです」
「でも、何でそんな奴と契約したの。ところで契約って何?」
契約の意味がよく分からない慎一。
「実は私、天使なのです。天上界から人間界を見守り、人々に幸せを与えるのが私達の仕事なのです」
慎一は訳が分からなくなってきた。
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