幸せになろう
第5話 スカウト
宮原慎一の家に、幼なじみの斉木綾香が遊びに来ている。
綾香は、エレーナとすっかり仲良くなり、よく遊びに来るようになった。
「そう言えば、今日、街でこんなものをもらったんです」
綾香に名刺らしき物を見せるエレーナ。
「えっ何、すごいじゃない」
「二人ともどうしたの?」
慎一が会話に割り込む。
「宮原君、ちょっと聞いてよ。エレーナったらすごいんだよ。ほらこれ見て」
エレーナが持っていたその名刺には、
「芸能プロダクション……これってスカウトじゃないか? すごいじゃないかエレーナ」
「いいな、私もスカウトされたい」
綾香が羨ましがる。
「で、どんな仕事するの?」
「アイドルです。それとファッション雑誌のモデルです」
「それで、もう返事はしたの?」
「いいえ、まだです。しばらく考えさせてほしいって、返事を待ってもらったんです」
確かに、エレーナは、容姿端麗でいつスカウトされてもおかしくない。
「慎一さんはどう思いますか? 私、この話お引き受けしたほうがいいと思いますか?」
「俺にそんな事言われても……」
考え込む慎一。
「こういうことは、俺が決められる事じゃない。大切なのは、エレーナがどうしたいかだ。君が自分で決める事なんだよ。まだ、時間もあることだし、じっくり考えろよ」
「うん」
慎一は冷静な態度でエレーナに接する。
数日後、エレーナは、まだこのことで、態度を決めかねているようだ。
「迷っているってことは、少しは、やってみたい気持ちがあるんだよな。
だったら、事務所に行ってとりあえず話だけでも聞いてきたらどうだ。
それからでも遅くはないんじゃないか」
慎一はエレーナに芸能人の仕事見学を勧める。
「もしかして、俺に遠慮しているのか? 契約があるから?」
「うん」
「俺に遠慮なんかしなくていいよ。君は、自分のやりたい事をやったらいい。
俺の事は大丈夫だから、心配するな」
「でも……」
エレーナは、なかなか決断出来ない。
「君が芸能人になったからって俺達の契約がなくなる訳じゃない。
それに、君が決めたことなら、俺は文句は言わないよ」
「慎一さん……」
慎一は、相変わらず冷静な態度を取る。だが、内心は穏やかじゃない。
「じゃあ、行ってくるね」
エレーナは、慎一に背中を押されるように芸能プロダクションに出かけていった。
事務所では、スタッフから、仕事の内容を聞かされた。
綾香は、エレーナとすっかり仲良くなり、よく遊びに来るようになった。
「そう言えば、今日、街でこんなものをもらったんです」
綾香に名刺らしき物を見せるエレーナ。
「えっ何、すごいじゃない」
「二人ともどうしたの?」
慎一が会話に割り込む。
「宮原君、ちょっと聞いてよ。エレーナったらすごいんだよ。ほらこれ見て」
エレーナが持っていたその名刺には、
「芸能プロダクション……これってスカウトじゃないか? すごいじゃないかエレーナ」
「いいな、私もスカウトされたい」
綾香が羨ましがる。
「で、どんな仕事するの?」
「アイドルです。それとファッション雑誌のモデルです」
「それで、もう返事はしたの?」
「いいえ、まだです。しばらく考えさせてほしいって、返事を待ってもらったんです」
確かに、エレーナは、容姿端麗でいつスカウトされてもおかしくない。
「慎一さんはどう思いますか? 私、この話お引き受けしたほうがいいと思いますか?」
「俺にそんな事言われても……」
考え込む慎一。
「こういうことは、俺が決められる事じゃない。大切なのは、エレーナがどうしたいかだ。君が自分で決める事なんだよ。まだ、時間もあることだし、じっくり考えろよ」
「うん」
慎一は冷静な態度でエレーナに接する。
数日後、エレーナは、まだこのことで、態度を決めかねているようだ。
「迷っているってことは、少しは、やってみたい気持ちがあるんだよな。
だったら、事務所に行ってとりあえず話だけでも聞いてきたらどうだ。
それからでも遅くはないんじゃないか」
慎一はエレーナに芸能人の仕事見学を勧める。
「もしかして、俺に遠慮しているのか? 契約があるから?」
「うん」
「俺に遠慮なんかしなくていいよ。君は、自分のやりたい事をやったらいい。
俺の事は大丈夫だから、心配するな」
「でも……」
エレーナは、なかなか決断出来ない。
「君が芸能人になったからって俺達の契約がなくなる訳じゃない。
それに、君が決めたことなら、俺は文句は言わないよ」
「慎一さん……」
慎一は、相変わらず冷静な態度を取る。だが、内心は穏やかじゃない。
「じゃあ、行ってくるね」
エレーナは、慎一に背中を押されるように芸能プロダクションに出かけていった。
事務所では、スタッフから、仕事の内容を聞かされた。